投資目的収益物件の建物チェック項目

不動産投資をしたいけど、建物のどこをどう見たらいいか分からない…

高利回りで購入したいけど、すぐに修繕しなければならなくなりそうで怖い…

不動産投資家であれば、だれしも不安に思う項目です。

また、ベテランやプロであっても躓きやすいポイントでもあります。

結局、建物ごとに状況は変わりますし、内部構造なんて目で見ただけや図面を見たところで完全に把握するのは不可能です。

ただ、チェックすべきところをチェックしておけば、リスクを減らすことはできます。

というわけで、本日は不動産投資目的の収益物件の建物状況をチェックする項目と題して記事を書いていきます。

本題の前に自己紹介ですが、宅建士の資格を保有し、不動産や建築工事を施工する会社を経営しておりますRENといいます。

自分自身でも不動産投資をしていますので、不動産投資をしようというあなたの気持ちはわかるつもりです。

ぜひ参考にしてください。

なお、今回は「建物」についてだけ書きます。

不動産投資にはそのほかにもチェックする項目がありますので、このサイトの別記事もご覧になってください。

現地建物チェックの事前準備

それでは実際に、チェックしていきましょう。

事前に、越境物確認書などの有無を確認しておきましょう。

これは、物件の水道管などが隣地に越境していることがあるので、その確認をしておきましょうということです。

不動産屋に聞く場合、「隣地にこの物件の埋設管が越境していたり、逆に越境されたりしていませんか?」など問い合わせれば大丈夫です。

その物件の売買を仲介している不動産屋であれば、埋設物の越境に関しては調べているはずなので。

また、前提として、物件への無断侵入はしないようにしましょう。

管理人
現地調査の際は仲介業者に確認をとっておきましょう。
基本的には担当者に同行してもらうと安心です。

他人の敷地内ですので、当然ながら確認は必要です。

また、担当者に同行してもらえば、空室の部屋を見せてもらうことも可能でしょう。

たまに、不動産屋に「問い合わせる前に敷地内を見てきたんですけど…」なんておっしゃる方がいらっしゃいます。

素人丸出しになってしまうので、気を付けましょう。

また、現地調査ではメジャーやカメラを持っていきましょう。

不動産現地調査・敷地周り編

まずは敷地周りからチェックしていきましょう。

道路幅をチェック

まずは前面道路が書類に書いてある通りか、実測しておきます。

都市計画区域内であれば、接道義務があるためです。

接道義務は、簡単に言うと道路に面した土地でなければ建物を建てられませんということです(建築基準法)

具体的には、都市計画区域内では幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接道していないと建物が建てられないという決まりなのですが、道路の定義などなどありますので、別の機会に解説します。

ここでは、事前に提示されていた書類に書いてある前面道路の道路幅が正確かどうか確認しましょう。

境界標をチェック

土地の端っこに石やコンクリートで上に十字が書いてある小さい柱みたいなのを見たことありますよね?

あれが境界標です。

敷地の境界をしめすもので、これがきちんとあるかどうかも確認しましょう。

また、その境界標同士を結んだ線が隣地との境界となるわけですが、隣地からブロック塀や植栽、ひさしなどの越境がないか確認しましょう。

駐車場の形状をチェック

地方であれば、駐車場の有無はもちろんのこと、駐車スペースの配置には注意が必要です。

いびつな土地に建てられたアパートなどは、車の駐車位置がバラバラに向き合っているような物件もあります。

こういった物件になると、入居者同士のトラブルになりかねませんし、そもそも入居を避けられる可能性も上がってしまいます。

不動産現地調査・建物外観編

ここからは建物自体を見ていきましょう。

建築物の構造にはいろいろありますが、アパートなどで主要な建物は

  • 木造
  • 鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

この4種類ですが、ここからさらに鉄骨造は軽量鉄骨造と重量鉄骨造に分かれるなど分類はあります。

これもまた別の機会に記事にしますね。

また、マンション投資など1室のみの投資の場合、建物の構造までは関係ないのでは?と思われる方もいます。

しかし、マンション1室といえど、その建物自体に問題があれば収益にかかわってきますので、内装だけではなく建物全体に気を配らなければなりません。

ここでは、2階建て以下の木造・鉄骨造の建物に絞って書いていきます。

RC造・SRC造の場合、3階建て以上が多くなり、そうなるとエレベーターや給水ポンプなど修繕費が大きくなる設備が増えてきます。

地方の場合、賃料に対してコストが見合わない可能性があるので、まずは木造・鉄骨造に投資するのが無難です。

木造

では、木造のアパートに投資するとして、チェックしていきましょう。

まずは、基礎部分です。

試しにそこら辺のアパートの地面付近を見てみてください。

木造といっても、基礎の部分はコンクリートですよね。

このコンクリートの状態をチェックします。

コンクリートは細かいひび割れ(クラック)はどうしても入ります。

ただ、大きいものには注意が必要です。

大きいクラックは水の侵入を許し、コンクリート内部の鉄筋のさびなど、強度に影響を及ぼす可能性があるからです。

具体的には0.3㎜以上で注意、0.5㎜以上で警戒

といったところです。

このクラックをチェックしつつ、壁の状態もチェックしていきましょう。

壁の状態としては、一般的な外壁の場合サンディングが貼られています。

このサンディングの塗装は劣化しますので、実際に手で触ってみて、粉が手につくようなら再塗装が必要です。

つまり外壁塗装工事の費用がかかるということです。

他に、外部階段がある場合は、鳥の糞が多くないかもチェックします。

外階段が汚いと見栄えが悪いですし、入居者から苦情が来る場合も想定されます。

私の場合、建築業もやっていましたので、糞がひどい場合でも鳥が入ってこないような設備を簡単に取り付けられるかどうかも検討しています

ただ、建築費用がどのくらいになるかは一般の人ではわかりにくいですから、鳥の糞がひどい場合はプロの意見を聞いた方がよいでしょう。

日当たり、風通しも確認項目です。

湿気が溜まりやすいようなところですと、入居者は嫌います。

また、建物へのダメージもあるため注意が必要です。

具体的には、建物の奥に高い擁壁があって、建物の一部がずっと陰になっている。

などの例がありますね。

鉄骨造

鉄骨造は軽量鉄骨造と重量鉄骨造があります。

鉄骨の厚みがみ6㎜未満が軽量鉄骨、以上が重量鉄骨とするのが一般的です。

軽量鉄骨が重量鉄骨かで耐用年数も変わってきます。

2階建てくらいのアパートで鉄骨造と言われれば、ほとんどは軽量鉄骨と考えてよいでしょう。(もちろん例外はあります)

鉄骨造も基礎のクラックをチェックするのは木造と同じです。

鉄骨の状態を確認できれば一番良いですが、むき出しになっている部分は少ないので難しいですね。

室内を見ることが可能であれば、浴室の点検口から鉄骨の状態を見ることが可能です。

外壁回りも手で触ってみることが木造と同様に有効です。

ALC板が使用されている場合も、塗装の状態はチェックしておきましょう。

外部階段・日当たり、風通しのチェックも行っておきます。

現地調査・室内編

空室がある場合や入居者の協力が得られる場合、室内がチェックできますよね。

ここでは不動産投資物件の室内のチェック項目を書いていきます。

室内のチェックでは、まず間取りの確認と、ざっと面積を計測しておきます。

間取り図に相違がないかの確認ですね。

また、空調設備については年式を確認しておきましょう。

水回りが古すぎないかのチェックも必要です。

私が不動産投資をしていて、もっとも多いのが水回りのトラブル。

風呂の壁から錆のような水がでてきた

とか

水漏れした

などなどですね。

緊急性が高いものもありますし、水漏れに気づかない場合建物のダメージにつながるため、注意する必要があります。

特に水回り周辺の壁のカビがひどくないか、湿気で壁紙がはがれていないかなどチェックしましょう。

空調設備もチェックしたい項目です。

年式が古いものだと、替えなければならない可能性があります。

また、空調設備は単発で壊れて修理交換していない限り、全室同じ年式のはずです。

まとめて設備投資がかかるような事態になりかねません。

よくチェックしておきましょう。

収益物件現地調査・建物編まとめ

実際はまだまだチェックしたい項目があります。

収益物件、不動産投資は長期を見据えた投資ですので

一度購入してしまうと、その物件との付き合いは長くなります。

そのため、購入時には納得いくまで調査しておきましょう。

この記事で上げたほかにも収益物件の購入にはチェック項目がたくさんありますが、このブログなどインターネットでも勉強することはできます。

たくさん勉強して、いい収益物件を手に入れましょうね。